会長ご挨拶

第4回
日本耳鼻咽喉科
免疫アレルギー感染症学会
総会・学術講演会

会長 岩井 大
(関西医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座)

皆様,4th JIAIO - 第 4 回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会 総会・学術講演会(2024年4月11日 ~ 13 日)へ,ようこそ。

これまで,原渕前理事長,吉崎現理事長,役員各位,そして,学会員の皆様に支えられながら準備を進めてまいりましたが,この度,多くのご演題を頂戴し,司会・座長の先生方にも遠路お越しいただけることになりました。また,当学会ではこれまでで最多の16 の共催セミナーが実現するなど,多数の企業から協賛を頂戴しました。ここに厚く御礼申し上げます。

プログラムをご覧ください。
本学会のテーマは「伸びる 広がる 躍動する! Expand your JIAIO!」です。
Treg(制御性 T 細胞)の発見者 坂口先生の特別講演 1 は,「免疫老化・抗加齢」を取り上げる本学会の目玉です。これに続いて,「免疫老化阻止による抗加齢対策―加齢性難聴の予防」 (会長講演),「抗 inflammaging ―抗加齢・炎症対策による健康寿命維持」(パネルディスカッション 3),「高齢者鼻炎のマネージメント」(教育セミナー 3)へと展開します。
パスツール研究所の Dr. Dombrowics による「New mechanisms for regulation of type II inflammation」の特別講演 2 は,同時翻訳(リアルタイム字幕アシスト)としました。「外国人患者受入れ医療機関認証制度」が開始されるなか,こうした翻訳システムのニーズは高まっています。

さらに,学会員の国際化を目指す当学会として,学会員の英語プレゼンをその場でチェックする「JIAIO プレゼン技術 いかす英語は世界に広がる」,留学した後にこそ重要な「JIAIO アフター留学 日本で伸ばすあなたの研究」(国際委員会企画)という,シビアなグローバルセッションを組みました。

2 型炎症を含めた「アレルギー・好酸球」領域は,「難治性 type 2 気道炎症の問題点と抗体製剤という切り札」(シンポジウム 1)にはじまり,「JIAIO 広がる好酸球性疾患を阻止する」(シンポジウム 2),「JIAIO 免疫アレルギー研究は人類を救う」(シンポジウム 3),「JIAIO 躍動する治療最前線― ECRS 制御に向けて―」(パネルディスカッション 2),「アレルギー性鼻炎,慢性鼻副鼻腔炎治療の変遷 ―気道炎症制御を目指して」(教育セミナー 2)へと広がります。また,花粉・食物アレルギー,ANCA 関連血管炎性中耳炎,EGPA などの「JIAIO アレルギー免疫疾患の実際―診断・治療のピットフォール―」(パネルディスカッション 1)を作りました。演者の先生方がどうお示しになるか今から楽しみです。

「免疫」研究も広げました。「免疫老化阻止による抗加齢対策―加齢性難聴の予防」(会長講演)に続いて,本学と米国国立がん研究所の小林先生による「がんの近赤外光線免疫療法(光免疫療法・アルミノックス治療)」,インパクトファクターが 2,000 を超える本学の倉田先生による「がん薬物療法の常識を覆した免疫チェックポイント阻害剤」(シンポジウム 1)が提示され,「JIAIO 腫瘍免疫は人類を救う」(パネルディスカッション4)に大きく展開し,また,「躍動する腸内細菌と免疫機能」(教育セミナー 1)では食生活の点検の場となります。

「感染」領域において,「JIAIO 感染症対策は人類を救う」(シンポジウム 4),「抗菌薬適正使用セミナー ―適正使用が次世代を救う―」(抗菌薬適正使用セミナー委員会企画),さらに, 「理化研・日耳鼻共同研究報告 コロナ禍から学ぶ:診療所での飛沫・エアロゾル感染対策」 (医用エアロゾル研究推進委員会企画)は,我々学会員にとって大変重要な内容でしょう。また,「ガイドラインから読み解く,肺炎の診断・治療から感染対策」(ICD 講習会と並立)の演者のおひとりは,Covid19 で TV に度々登場される本学の宮下先生です。

さらに,「ゲノムの解読」・「ウイルスの可視化」にむけた基礎研究者育成委員会企画「基礎研究セミナー 世界で躍動する研究者になるために」にて,皆様を世界で躍動する研究者に誘います。 「ダイバーシティ推進」では,同委員会が「躍動する弟子は良い師匠から ―伸ばして広がるダイバーシティ―」を企画しました。教室員の都合と上司の本音がぶつかり合い,そしてその解決策が明らかになれば面白いと考えています。

お詫びが 2 つございます。1 つめは,プログラムが思った以上に賑わったことです。学会場が手狭となりました。2 つめは,もよりの京阪電車 枚方(ひらかた)市駅との一体型ホテルの建設が遅延して間に合わず,宿泊にご迷惑をおかけすることです。会員懇親会も隣接の大学学舎の学生食堂です。このご不便を跳ね返せるよう,そして,満面笑顔でご帰郷頂けるよう,教室員とともに励みたいと存じます。

学会場の枚方市総合文化芸術センターのすぐ北には七夕伝説ゆかりの天の川が,すぐ西には一寸法師の淀川が流れています。皆様がお越しの 4 月は,学会場を一歩出れば花が咲き,蝶が舞い,鳥がさえずり,薫風そよぐ季節となっていることでしょう。しかし,数分歩いて駅(枚方市駅)に向かい,さらに駅を越えれば,ホームページの「観光案内」にも記しました飲食店群が忽然と現れます。そんな街を楽しんでいただければと存じます。俳優の岡田准一が園長の枚方パークや大阪・京都の中心街も,京阪電車ですぐそこです。

もう 1 つ,当学会は新しい年度となって初めて開催される耳鼻科の学会です。ご就任間もない教授をご紹介する機会となりましょうし,新専攻医や勧誘の研修医をお連れ頂くチャンスとなりましょう。皆様におかれましては,本学会が佳き節目となり,これからの一層のモチベーションアップ,スキルアップ,バージョンアップの好機になればと存じております。皆様のますますのご活躍をお祈り致しますとともに,本学会でおもてなしできますことを楽しみに致します。