関連ガイドライン・手引き

「急性鼻副鼻腔炎に対するネブライザー療法の手引き2016年版アップデイト」刊行について



耳鼻咽喉科疾患の多くが気道疾患であることから、経気道的な局所治療が可能かつ有効であり、その一つとしてネブライザー療法が重要な治療法として以前から臨床で広く用いられてきた。そして、2016年に急性鼻副鼻腔炎に対するネブライザー療法の標準的治療法を示す目的で、「急性鼻副鼻腔炎に対するネブライザー療法の手引き2016年版」が刊行された。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、未知なる新しい感染形式を持つこのウイルスへの対策をネブライザー療法においても強いられることになった。

そこで我々は、この新たなウイルスに対して安心・安全にネブライザー療法を実施することを目的として、「新型コロナウイルス感染症流行下におけるネブライザー療法の指針」を2021年に刊行し、これにより多くの方々にネブライザー療法を再開していただくことができた

こうした経緯を踏まえて、ネブライザー療法の今後さらなる普及のため、2016年版と2021年版の手引きを合本化して「急性鼻副鼻腔炎に対するネブライザー療法の手引き2016年版アップデイト」を刊行することとした。主な改訂箇所として、機器管理の項目を中心に、室内の汚染・換気の方法、飛沫接触感染対策を詳細かつ具体的に記し、新たなFAQを追加した。まさに手引きとして日常診療に即戦力となる内容にアップデイトされており、ネブライザー療法の再開を検討している先生や新規に行おうと計画している方々の一助としていただけることを願っている。


日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
ネブライザー療法の手引き・指針改訂委員一同
(文責 川崎医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科/医療法人社団兵医院 兵 行義)